.届かない想いを
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私は生まれて18年、平凡に生きてきた。
生まれつきの持病は抱えたものの、周りの人達とそんなに変わりない生活を送ってきた。
少し変わったことと言えば病院に行く回数が多いだけ、皆んなと遊べないだけ。
だから友達は少なかった。
だからいじめられた。
遊べないだけでいじめられた。
上靴に画鋲を入れられたり、
筆箱の中身が全部ゴミ箱に捨てられていたり、
酷い時には団地の階段に「なつき死ね」
そう書かれた時もあった。
それは私が病気だから。
普通の人と何ら変わらない生活を送れているのに、
少し心臓が悪いだけなのに、
それだけで酷い目にあった。
そんな自分をたくさん恨んだ。
自殺しようともした。
だからまた新しい病気にかかったって知った時、
絶望した。
元から長生きできないのは分かってた。
でも本当に死ぬのかなって思った。
怖かった。
前した手術で少し後遺症が残った。
後遺症って言うほどでもないけど、
自分が思うように手が動かしにくくなった。
先生にも手術前からそう言われていた。
箸は持てる、ペンも持てる。
でもご飯を食べるのには少し時間がかかるようになった。
字も上手く書けなくなった。
読める字ではあるものの、人に見せられる字ではなくなった。
11月27日
亮平くんの誕生日。
手紙を書こうと思っていた。
でもとてもじゃないけど送れない。
ずっと前から考えてたのに、まさかこんなことになるなんて思ってなかった。辛かった。
だから、今まで自分のことだけを書いてたこの日記を亮平くんへの手紙代わりすればいいんじゃないかって思った。
勿論毎回亮平くんへの想いを書くわけでもないし、飽きたら途中で辞めるかもしれないけど、
でも
今の私に想いを伝える方法はこれしかないと思った。
勿論この手紙が一生亮平くんの目に触れることもないし、
届かないこともわかってる。
でも、
届かなくても、
伝えたいと思うのは、
伝えるのは自由なので、
これからは自分勝手だけど、
誰にも見られなくてもいいので、
届かない大好きな人への想いをここで、
書かせてください。
2020.11.04
あや